ma Cheri
玲ちゃんの入れた紅茶を飲みながら3人で談笑しているといきなり玲ちゃんの目が真剣になった。
「私、思ったんだけどね。どうしてアイツはシェリの名前だけでその…娘だってわかったのかしら?」
玲ちゃんの眉間に深々とした縦じわが入った。
玲ちゃんは本気で彼をよく思っていないのだろう。
でも言われてみれば…
「いっておくけど俺は何も言ってないからな。」
「分かっているわよ。でも確かお父様はシェリの名前公開なんてしてないわよね?」
「どうだろう…わからない。私、ママとあの人の話…したことがないの。だから名前が公開されてたか…」
私が困ったように目を伏せると、玲ちゃん慌ててごめんなさいねと謝った。
「いいのよ、全然。私がシェリにアイツを近づけさせなければいいのよ。」
そういって笑った玲ちゃんの顔は少し怖かった。少し…いやだいぶ…かな?
「ゴメンな、シェリ。元あといえば俺が蓮司紹介したから…」
そういっていつも元気なはずの快の顔が曇り、形のいい眉がハの字に下がっていた。
ほんとに二人は優しい。
「ううん。ありがと、ありがと。玲ちゃん、快。」
私がうれしくて微笑むと二人は安心したのかふわりと微笑み、玲ちゃんは紅茶を飲み、快はケーキをほおばった。
大丈夫。私は、玲ちゃんと快、二人がいれば大丈夫。