ma Cheri
「龍希さんすごいな…」
鍵谷くんがそういうと快と玲ちゃんもしきりにうなずいた。
「ほんとに親ばかな人よね。実はね、ウエディングドレスだけじゃなくてティアラとかネックレスまで用意しているの。もう…病気よね」
そういってママが開けてくれた金庫の中には高そうな装飾品がたくさん入っていた。
「ちなみにその反物はね、シェリちゃんの成人式前にパパの友達でスタイリストの方が仕立ててもらって着付けてくれるそうよ」
「え、でもパパいないし、そんなの…」
「その方もね、いまだに電話くれるの。シェリは元気か?って。早くきつけてあげたいって…」
私のいるこの世界はなんて暖かいのだろう。
玲ちゃんがいて快がいて、ママもいる。
それにほんとはずっとパパもいてくれたんだね。
「パパ…ごめんね、ありがとう。」