ma Cheri


「快はいつも元気ね。一緒にいて疲れるわ。」


私と玲ちゃんも歩いてバス停に向かう。
快は運動部だが、そうではない私たちにとって通学を自転車にするのは自殺行為といっても過言ではないほど学校は遠い。

だから私たちは優雅にバス通学なのである。


「転校生か~。めんどくさいやつじゃないといいわよね。地味なやつが好ましいわ。」
「私は誰でもいいかな。たぶん関わらないだろうし。」


父親のせいか少し男嫌いな私。それ以上に人見知りが激しい。
よって私が転校生と関わる可能性はほぼゼロ。


「それもそうね。私もシェリがいればそれでいいわ。」


そういって玲ちゃんは優雅に微笑んだ。
私はこの玲ちゃんの優しい微笑みが好きだ。


数十分バスに揺られ、やっとたどり着いた教室。
私の席は窓際の一番後ろ。
そしてひとつ前は玲ちゃんで右隣は快。

この席順は実のところ玲ちゃんが権力で掴み取ったようなものである。

いつもと違って心なしか教室内が騒がしい。


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