ma Cheri


「俺、ずっと好き…っていうか幸せにしたいと思ってた人がいるんだ。」


そういった鍵谷くんの顔は今まで見た中で一番幸せそうな顔をしていた。


「会ったことはなかったんだけど、その存在を知ってからずっと、俺が幸せにしたいと思ってたんだ。」

「そうなんだ。」


なんだかよくわからないけどすごく胸が苦しい。

つらいよ、悲しいよ


「それからは、あったこともないその子のことばかり考えてた。もし出会えたらなんて言おうなんて…」


そういって恥ずかしそうに微笑む鍵谷くんを見てまた胸が苦しくなる。

すごく、泣きたくなる。


「だから出会えたとき、ほんとにうれしかった。その子は思った通りの子だった。だから、もっと好きになった。」


あぁ、この胸の痛みはきっと…




恋なんだ

鍵谷くんが好きなんだ


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