ma Cheri
「好きだよ」
今頃気づいたって遅いんだ。鍵谷くんには…
「っえ?」
驚く私に前にはほほを赤く染め、いつもの優しい笑顔の鍵谷くんがいた。
「す…き…?」
「うん。俺は楢山がすきだよ」
自然と涙がこぼれた。
泣きたくなんかないのに、止まらない。
涙を拭っている間に私の目に映るのは焦ったような顔をしている鍵谷くんだった。
そんな鍵谷くんを見ていたら笑ってしまった。
それに気が付いた鍵谷くんは少し恥ずかしそうに頬をかいた。
「なんで…笑ってんの?俺の初めての告白なんですケド」
「ごめ…ふふ。なんか、うれしすぎて気持ちがぐちゃぐちゃなの。」
私がそういってまたうつむくと、鍵谷くんがそっと私の少し長くなった前髪をかき分けた。
すると当然のように私は鍵谷くんと目があってしまった。
「うれしいの…?俺が言ってるの友情とかのすきじゃないよ?」
そういった鍵谷くんは困惑した顔をしていた。
それがまた面白くて笑ってしまった。