ma Cheri
「ねぇ、なんであたしの存在知ったの?」
「ma Cheri聞いてた時に父さんが、この曲は龍希さんが娘のために書いた曲だって聞いてさ。でもこの曲のようにその子を守ってくれる龍希さんはいないわけだから、俺が守んなきゃって思ったんだ。」
そういって鍵谷くんは恥ずかしそうに笑った。
お父さんは私と鍵谷くんを出会わせてくれるだけじゃなくて、私にとっても素敵な贈り物まで用意していてくれたんだね。
「俺、守るから」
「…え?」
ふわりと優しい風が私と鍵谷くんを包む。
「龍希さんに負けないぐらい、紫恵里のこと想ってるから。」
風になびく私の髪を優しく撫でながら鍵谷くんは微笑んだ。
「鍵谷くん…」
「蓮司、って呼んで」
なんてきれいな人なんだろう。
外見だけじゃなくて中身もとってもきれい。
そんな人が私を想ってくれるなんてなんて幸せなことなんだろう。
「…蓮司」