ma Cheri
「そういえばさ、転校生のことだけどさ。男だったぜ。しかも背高いし、遠目ではイケメンな予感!」
「お前は乙女か。っていうか快、あんた見たの?」
「おう。職員室に入ってく後姿をちょこっとな。仲良くなりてーなー」
快は昔から人当たりがよくて人気者だった。
だから人見知りで男嫌いな私でも仲良くできたのだ。
そんなことをぼんやりと考えながら前を見ていると担任である山田先生が入ってきた。
山田先生は現国の先生であるのにもかかわらず筋トレマニアのマッチョ野郎だ。
彼女もおらず現在の恋人は鉄アレイだって玲ちゃんが言っていた。
「みんなもう知っていると思うが転校生を紹介する。おーい、鍵谷。」
がらりとドアを入ってきた男の子を見てクラスのほとんどの女子がため息をついた。
それほどに彼は端正な顔立ちをしていた。
「な、俺の言った通りイケメンだっただろ?」
そういって快は偉そうに微笑んだ。
確かに彼は快と並ぶ、いやそれ以上のイケメンかもしれない。