ma Cheri
「うっし!俺も負けてられないな。っつーことで玲菜嬢。僕、戦地に赴きます。」
「苦しゅうない、勝手に行け。」
ビシッと敬礼を決める快に対し玲ちゃんはシッシッと快を追い払った。
快は私に向かって微笑んだ後転校生のもとへ行った。
「シェリ。今日帰りにうちに寄らない?おいしいケーキをもらったのよ。」
「ほんとに?行く!」
玲ちゃんの家はここらへんで一番大きな病院で、玲ちゃんはお嬢様なのだ。
だからたびたび私を家に招待してくれるのだ。
私の母親…ママは看護師で玲ちゃんの家の病院で働いている。
私たちが出会ったのはママの忘れ物を届けに行ったときだった。
それから私たちは仲良くなって今もこうしている。
ふと快のほうに視線を向けると群がる女子を押しのけ転校生との接触に成功しているうえに笑顔で会話をしている。
女子たちも相手が人気者の快であるために不平をいうこともできずにもじもじとしている。
そして何を思ったのか快は転校生の手を引き、私と玲ちゃんのほうへと向かってきたのである。
もちろん玲ちゃんの顔はうざそうに歪んでいる。