ma Cheri
「シェリ、玲菜嬢。転校生の蓮司だよ!」
このクラスの全員が知っている情報をにこにこと笑いながら私たちに伝えてくる快。
「馬鹿ね。そんなの知っているわよ。私は真崎玲菜よ。」
そういって玲ちゃんは立ち上がりもせず、にこりともせず、淡々と自己紹介をした。
「あぁ、よろしくね。俺のことは鍵谷でも蓮司でも、好きなように呼んで。」
彼は冷たい玲ちゃんの態度に対して何も動じず優しく微笑んだ。
しかし玲ちゃんは面白くなさそうにそっぽを向いた。
そんな玲ちゃんに対し彼は少し困ったように笑いながら私を見た。
「シェリ、お前もあいさつくらいしなきゃだめだろ?」
そういって快は微笑みながらくしゃくしゃと私の頭を優しく撫でた。
しかしいつまでも口を開かない私に対して、しょうがねぇなと笑いながら私の頭の上で手を組み、そのうえに顎をちょんと乗せた。
そしてそのまま転校生のほうに向かってあたしの顔を向けた。
「こいつシェリ!俺の幼馴染なんだ~。でも男嫌いでさ、まぁ覚えといて」
シェリという名前を聞いて転校生はキョトンとした顔をしていた。
「シェリ…?それってあだ名?」
やっぱり私の名前って珍しいんだなって改めて思う。でもめんどくさいから何も言わない。