マジで恋する10秒前!?
冬の冷たい風が私の心に突き刺さる。

私の心を冷やして、私の心を……閉じ込める。


「…そっかぁ...。そっかぁ……」

今出来る精一杯の笑顔を明良達に向ける。


「……姫咲...お前…」

裕樹が私の顔を見て、心配そうに言った。


それほど、私は笑えていなかったんだろう。


…だって、裕樹は私の気持ちを知ってる唯一の人。


足から湧き上がってくる、ふつふつとした感情。


−−憎しみ?

−−−イラつき?

そんなんじゃない……

菜々子に対して……悔しいの...。

何で私じゃないの!?

私のどこが菜々子に負けているの?劣っているの!!?


自分の中の嫌らしい感情が私を覆い隠した。
< 195 / 261 >

この作品をシェア

pagetop