マジで恋する10秒前!?
大好きが…遠い
−−明良……明良…大好きだよ
ずっと…ずっと前から大好きだよ。
「…ごめんっ私、そろそろ帰るね。もう…遅いしさ...」
そう言って、くるりと方向を変え、明良達に背を向けた。
「姫咲…。」
明良の声。
だって明良は、菜々子を選んだんでしょう?
私じゃなくて…菜々子を...
その声も…
その瞳も…
その体も…
菜々子の名前を呼んで
菜々子だけを映して
菜々子を抱きしめて
全部、私じゃない…
さっきから喋らない菜々子は、今…なにを思っているの?
私を嘲笑っているの?
こうやって、どんどん悪い方向に持って行っちゃう。
……菜々子...ごめん−−−。