─仮面─偽りの微笑み
「ふっ…ご褒美だ」
繭璃は"ぱっ"と唇を押さえ、大きな瞳をパチパチさせて固まっている。
もっと深く舌を絡めて味わいたかったのに…
「お兄ちゃん!繭璃から離れて…」
やっぱりか…
「嫌だって言ったら?」
「だめ…繭璃はダメだよ…違うから」
繭璃は"お人形"じゃ無いと言いたいのだろう。
はいそうですか…なんて言える訳ないだろ?
「美麗…修一が来るぜ」
「えっ!なななっ何で修一さんなのよ…あたしは別に…」
急ににしおらしくなった美麗…原因は俺の親友"神野修一"。