─仮面─偽りの微笑み
「心配すんな、あれは修一が"美麗の為"に用意したもんだ」
「へっ!棗さん知ってるの?!」
なんで?と、驚いた顔でいる繭璃に棗は続ける。
「美麗の事を思えば何でも出来るらしいぜあいつ…お陰で俺まで付き合わされていい迷惑だ」
「付き合わされる?」
「あぁ、女しか行かねーような店に連れてかれた…デレデレして選んでたぞ?思い出したら…くくっ…ほんと笑えるなあいつ」
「良かった、美麗ちゃんだけの物だったんだね♪」
「確かに美麗だけのもんだな、アイツは美麗にベタ惚れだからな」
繭璃の頭をポンと撫でると、「そうだ」と立ち上がり寝室に消えて行った。
程なくして出てきた彼は、何かを手にしていた。
それを「土産」と、繭璃に手渡した。
「わぁっ!かわいいー♪」
それをぎゅっと抱き締め頬ずりすると、瞳を輝かせ「棗さんありがとう!」と嬉しそうに微笑んだ。