─仮面─偽りの微笑み

「俺も修一と変わらなねぇな…そんな物よく買えたよ、男2人で何やってんだか」



"はぁー"と息を吐き出すと、棗はまた繭璃を後ろから抱き締めた。



「お前みたいだろ?」そう囁かれ、繭璃はじっとそれを見つめた。



「あたし、こんなに可愛くないよ?」



"ふわふわのワンコの縫いぐるみ"が、2人を見つめ返していた。



「お前の方がかわいいよ…」



囁いた棗はちゅっと、首筋にキスをした。



「あっ」



思わぬ刺激にその身をよじる。



顎を掴み上向かせると、ぺろっと下唇を舐めた。



「ご褒美忘れる所だった」



その言葉に繭璃は身体を震わせた。



頬を赤らめゆっくりと瞳を閉じた。



何度も優しく唇を啄まれる、そして閉じた唇をこじ開け、棗の熱い舌が侵入し繭璃の舌を絡めとった。
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