─仮面─偽りの微笑み
「何緊張してんのよあたし…」
そう呟き扉の前で深呼吸してから、「修一さん?」と声を掛けた。
─ガチャリ
ドアが開くと、ニコッと爽やか笑顔であたしは迎えられた。
テーブルに紅茶とケーキを並べる。
ソファーに並んで座り、少しだけ彼を見て言う。
「ケーキありがとう」
「好きでしょ?」
「うん…あっ、冷めないうちにどうぞ」
紅茶とケーキを修一に差し出し、美麗は「いただきます」とケーキを口に運んだ。
「うーん、おいひぃ」
大好きな物を食べてる時って、色んな事を忘れちゃう。
クスッと笑った修一さんが「ついてる」と、あたしの口元を指で拭った。
クリームの付いたその指を、ペロリと舐める。
「あ…///」
「甘っ…」
チラリと覗いた赤い舌が、酷くイヤラシく見えて、思わず頬を赤らめた。