─仮面─偽りの微笑み

うつむき加減のあたしの頬に、修一さんの指先が触れた。



「赤くなってる…熱でもあるのかな?やっぱり調子悪かった?」



心配そうに見つめる修一さんに、ふるふると首を振ると、あたしは思い切って口を開いた。



「ち、違うの…ちょっと恥ずかしかっただけ、それに…」



「それに?」



「…ピ…クの…リッパ…」



「ん?」



小声でごにょごにょと喋るあたしに、修一さんはグッと身体を寄せた。



「ピ、ピンクのスリッパ!」



「ピンク…えっ!あっ、ごめんアレ気に入らなかった?!」



「そう、じゃ…なくて…えっとね?あの時修一さん"みんな好きでしょ?"って言ったでしょ?」



「うーん…言ったような気もするし、言わないような…」



「言ったの!だからあのピンクのスリッパはあたしだけじゃなくて、他の誰かにもああやって出してるのかなぁって…」



「それ完璧誤解だから…てか何でそんな風にとるかな?美麗ちゃんの為に買ったんだよ!」
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