─仮面─偽りの微笑み

そう言った修一は、真剣そのものだった。


「俺、君が好きだって言ったよね?信じらんない?」



「ごめんなさい」



ぎゅっと抱きついて胸に顔をうずめた。



修一さんのお日様のような香りが、モヤモヤとしたあたしの心を蹴散らす。



「アレ買うの恥ずかしかったんだからね!まっ、君を思えば俺はどんな恥ずかしい事も出来ちゃうワケですよ」



ポンポンと頭を撫でながら、修一は美麗にそう言った。



顔を上げた美麗は、少し瞳を潤ませはにかんでみせた。



「だぁーっ!可愛すぎだから美麗ちゃん」



「へっ?…」



グイッと引き寄せられ「キス…してい?」と、問う彼の艶っぽい瞳に"ドキッ"と心躍らせ、あたしはこくんと頷いてみせた。



「俺っ、美麗ちゃんだけだから…」



触れた唇から優しさと、彼の思いが伝わるようで、あたしの心はじんわりと熱くなっていった。



優しく触れるだけの口付けは、奪うようなモノへと変わっていった。
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