─仮面─偽りの微笑み

起き上がり、ベッドに腰掛けた修一の背中を眺めて、美麗は「あ…?!」と声を上げた。



「ん、なに?」



修一の広い背中に赤く浮かび上がる爪痕を、美麗は指先でそっと撫でた。



「これって…」



「あぁ…美麗ちゃんを手に入れた証し…かな?」



そう言ってクスッと笑っていた。



やっぱり!何がなんだかわからず、ただ夢中で修一さんにしがみついてた。



きっとあの時、背中に爪をたててしまったんだ。



「ご、ごめんなさい」



「クスッ…謝らないで、美麗ちゃんこそ…体大丈夫?」



ベッドに腰掛け、修一は美麗を見つめ頬を撫でた。



「ん…大丈夫」



ピンク色に染まった頬はしっとりと汗ばみ、瞳を潤ませ薄く微笑ったその表情に"女"を感じ、修一はゴクッと喉を鳴らした。
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