─仮面─偽りの微笑み

「…やばい」



「な…にが?」



頬に置かれた手に、そっと自分の手を重ねて、美麗は修一を見つめ返した。



「修一さん?…なっ…に…ん…ふ…」



何も言わず静かに顔を近づけた修一に、美麗の唇はそのまま塞がれてしまった。



「もっとしたい…」



キスの合間に囁かれた言葉に、美麗はふるっと身体を震わせた。



「今日は我慢しようと思ってたけど…ごめん、やっぱり無理」



そう言った修一は、美麗の身体に沢山のキスを降らせる。



「あっ…ん……あ…あぁ…やぁ…」



「綺麗だよ美麗ちゃん」



甘く吐かれる吐息は、修一を更に煽り止まらない欲望を美麗にぶつけた。



「あっ……あ…ん…はぁ…あぁぁー」



2人はベッドに身体を投げ出し、絡み合いながら横たわった。



「ごめん…無理させて、でもすげー幸せ!」



ぎゅっと抱きしめられ、嬉しそうに修一さんにそう言われた。



「いいよ、あたしも…幸せだから」



甘い余韻に浸りながら、心も身体も大好きな彼のモノになれた幸せを感じていた、温かな腕の中で…。
< 121 / 268 >

この作品をシェア

pagetop