─仮面─偽りの微笑み
───…
──…
「繭璃どうした?」
"はぁーっ"と控えめなため息を吐いた美麗に、棗は声をかけた。
「んー、美麗ちゃんの事が心配です…」
返ってきた言葉に、笑みが漏れる。
ポンポンと頭を撫で、ふっと微笑った棗。
「お前は美麗の事ばっか心配してるな?気にすんなハゲるぞ」
「ハッ、ハゲ…?!」
瞳をパチクリさせる繭璃の耳元で、棗は熱い吐息を吹きかけながら囁く。
「今頃は…ベッドの中かもな?俺達も仲良くするか…?」
「な、棗さん!…///」
「冗談だ」
「ひどーい!からかってる…本当、いじわるっ」
真っ赤な顔して怒る繭璃が、愛おしくて思わず引き寄せた。
「俺の事も気にしろよ…」
「えっ?」
ぺろっと耳を舐めると、愛らしい唇が開き「はぁ…ん」と、小さく吐息を漏らした。