─仮面─偽りの微笑み
「もっとだ…もっと鳴け!」
お前が鳴けば鳴くほど、俺は煽られ止まらなくなる。
抑えがきかなくなる程、俺はお前を求めるんだ。
欲しくて欲しくてたまらない。
お前に溺れてもがきさ迷うんだ…。
だから、俺の手を離さないでくれ…何があっても。
「繭璃……俺の名前呼んで」
「あ……なつ…め…さ…あ……あぁ」
「くっ…もっと呼べよ…」
囁きなが耳朶を甘噛みする、甘い吐息を吐く彼女が見たくて。
「あ…ん………なつめ…なつめ…」
「…繭璃…好きだ、好きだ、俺の俺だけの繭璃」
そして俺達は共に果て、抱き合いながら目を閉じた。
───…
──…
目が覚めると、俺の腕の中で静かな寝息をたてる繭璃がいた。
ふと時計を目にして驚く。
時間はすでに21時を過ぎていた。