─仮面─偽りの微笑み
やって終わりの何時もと違い、好きな女が腕の中にいる、そんな安心感からか思わず寝入ってしまった。
「俺としたことが…でも…コイツといると落ち着くな」
そう言って俺は彼女の柔らかな髪をすいた。
「ん…」
くすぐったいのか、眠ったままで身をよじる。
「ふっ…可愛いな」
その姿が可愛くて、もう一度髪をすく。
「ん…」
「繭璃…繭璃?」
軽く揺さぶって頬に口づける。
「ん…な…つめ…さん?………わっ!」
ガバッと起き上がった繭璃が、驚いた表情でキョロキョロする。
「もう夜?!わっ、わたしっ、寝ちゃったんですか?!」
「そんなに慌てて…可愛いなぁ…ん?」
と、露わになった胸元をつついてやる。
「やぁーん」と言いながら、布団にくるまる繭璃を引っ張り出した。