─仮面─偽りの微笑み

「きゃっ」



小さな声をあげ、両手で胸元を隠す繭璃を、背中からそっと抱きしめる。



「遅くなったな…悪い…俺のせいだ」



「いいんです…わたしも寝ちゃったから」



ちゅっと首筋にキスをして、耳元で甘く囁く。



「繭璃…可愛かったよ」



「ん…やだっ…恥ずかしい…///」



赤くなる繭璃の髪に口づけて、俺はベッドから抜け出す。



「遅くなったけど、大丈夫か?」



「ん?何がですか?」



キョトンとする繭璃に、少し気が抜けたが俺は言った。



「家だよ家!心配してるだろ親が」



「あぁ…それなら大丈夫です!両親は昨日から家に居ませんから」



「居ない…?どういう事だ?」



俺が聞き返すと、ちょっと拗ねた風に彼女は答える。



「パパの出張にママは付いていってます」



「そ、うなのか?」



「はい、何時もの事ですから大丈夫ですよ?あの2人はラブラブなんです♪」



うふふと、嬉しそうに笑う繭璃を可愛いな…と思って見ていたが、俺は口を開く。
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