─仮面─偽りの微笑み

「兄弟は?」



「3つ上に兄が居ますが、家を出て1人で暮らしています」



繭璃が17歳だから今年20歳か…。



「俺の1つ下だな…大学は行ってんのか?」



「あ、はいっ!M大に行ってます…優しい兄なんですよ」



へへっとはにかむ彼女に、少しむっとして抱きついた。



「なんか…妬ける」



「棗さん…」



彼女は俺の背中を撫でると、頬にちゅっとキスをした。



クスクスと笑う繭璃。



「何だよ…!」



「だって、兄に焼きもちなんて…棗さんって可愛い♪」



「そんだけお前が好きだって事だよ」



コツンと、おでことおでこをくっつけて言う。



「わたしも好きです…///」



「そんなに可愛いこといってっと…また喰っちまうぞ?」



ちゅっと唇を吸い上げてニッと笑うと、途端に真っ赤になる愛しい彼女。
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