─仮面─偽りの微笑み
◆夢の様な日々
───…
──…
「…ん………!」
目が覚め、うっすらと瞳を開ければ、大好きな彼の香りに包まれていた。
もぞもぞと動き、顔を上げれば、わたしを抱き締め眠る棗さんの綺麗な寝顔。
素肌に直に伝わる彼の温もり。
そして、自分が何も身に付けて居ないことに気づく。
そーっと辺りを見渡すと、ベッドから少し離れた位置にあった。
「うーあんな所に…!」
ひとり唸りながら、下着を取ろうと棗の腕の中から逃れる。
「ひゃっ!」
ガシッと捕まえられ、また腕の中へと閉じ込められてしまった。
「何処いくんだ?…」
「あのっ…下着…」
「いらねー」
「へっ?いらないって…」
振り返ろうとしたわたしを、更にキツく抱きしめる。
「下着なんていらねーだろ?俺はまだお前が足りねー…もっと欲しい…」
「ん……はぁ…ん」
うなじに口づけて、甘い言葉を繰り返されれば、自然と身体が疼きだす。