─仮面─偽りの微笑み
「あ…あッ…ぁ…もっ…棗…さん…っ…あぁぁ!」
目覚めてから、どれくら時間が経ったのだろうか?
あれからずっと棗に揺さぶられ続けた繭璃は、意識を飛ばしかけていた。
"くたっ"と棗に身を任せフワッと微笑んだ彼女は、そのまま眠りに落ちた。
「足りねー…幾らでも欲しくなる…かなりヤバいな俺」
ボソッと呟くと、眠ってしまった繭璃に手を伸ばす。
汗で張り付いた髪をよけ、額に軽く口づけた。
初めてだったのに、何度も何度も繭璃を求めてしまった。
我ながら鬼畜だな…。
だが…欲しいモノは仕方ない。
少しの間だが一緒にいられる。
そう思うだけで自然と笑みがこぼれる。
「不思議だな…お前といると落ち着く」
柔らかな赤い唇をそっとなぞり、触れるだけのキスをおとすと、彼女と共に眠りに落ちた。