─仮面─偽りの微笑み

「繭璃?出かけるぞ」



「あっ、ちょ、ちょっと待ってください!」



ベッドで微睡む繭璃に軽く口づけると、棗は先に起き上がる。



慌てた繭璃は、シーツを被りベッドを這い出す。



「芋虫かよお前は…」



「だって…恥ずかしいんだもん…///」



「だぁーっ!可愛い奴だなぁ」



ぽっと頬を染め、シーツの隙間からちょこっと顔を覗かせ、恥じらう彼女が可愛くて仕方ない。



俺はたまらずシーツごと抱きかかえた。



「一緒にシャワー浴びるぞ♪」



「えっ!だだ、ダメですっそんなシャワーなんてっ…ちょ、棗さーん!降ろしてぇー!!」



半ベソの繭璃を、強引に浴室へと連れ込んだのだった。



───…
──…



「ははっ♪」



嫌がる繭璃と楽しく、気持ちよく?!シャワーを浴びた棗は、上機嫌で車のハンドルを握っていた。



「棗さんはやっぱり意地悪です!」



一方の繭璃は、明るい所で全てを見られた事が、恥ずかしくてたまらなかった。
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