─仮面─偽りの微笑み

「あのっ…普通でごめんなさい」



少し俯いて、謝る繭璃。



「いや十分だから、レストラン並に美味かったから、これマジで!」



真剣な声で言ってやると、彼女はすっと顔を上げ、にこっと笑って見せた。



「ありがとうございます、嬉しい♪」



そんな彼女に早く触れたくて、俺は席を立つ。



「片付けは俺がやるよ」



「ダメです私がやります!」



「や、俺がやるから」



「わたしが!」



「ははっ、じゃあ2人でやるか」



「はいっ♪」



シンクに皿を運ぶとさっと洗い出した繭璃。



「何時もお前がやってんのか?」



「んー大体は私ですよ?ママはおっちょこちょいですから♪」



「ふっ…そうか」



楽しそうに皿を洗う繭璃。



その後ろから彼女をそっと抱き締める。
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