─仮面─偽りの微笑み

ふわりと香、甘い香りに誘われ首筋に唇を寄せる。



俺の好きな柔らかな髪は、高い位置で一つに纏められていて、白い首筋は露わになっていた。



後れ毛が頬を撫でくすぐったい。



ちゅっと首筋を吸い上げ、「…繭璃」と甘く囁く。



「はッ…あ…なつめ…さぁん…だ…めです…ん」



「ほら、手が止まってる」



「あ…ん…ごめ…んなさい…でもっ」



「だーめ…ちゃんと洗えたらご褒美あげる」



「…は…い」



止まらねーよ?だって待っていたのはこの時なんだから…。



こんな姿見せられて俺がどれだけ我慢したか。



耳朶を甘噛みし、体中を撫で回す。



「はっ…あッ…」



我慢しているのか、押し殺すように吐き出される吐息。



ワンピースの背中のファスナーを、ゆっくりと下げていく。
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