─仮面─偽りの微笑み
「誘ったのお前だから」
「えぇっ!わた、わたし誘ってなんて…」
「無自覚の誘惑ってとこか」
「誘惑なんてしてません!」
「だから無自覚なんだって!何でもいいから俺に任せろ」
「任せろって…?」
「…風呂」
そう言ってニヤリと笑えば、繭璃は真っ赤な顔で俺を見る。
「……つっ…///」
「おっと、忘れるとこだった…ちゃんと洗えなかったから″お仕置き″しなきゃな♪」
″お仕置き″を強調して言ってやる。
「あっ、あれは棗さんが…その…」
恥ずかしいのか、言葉を詰まらせ俯いてしまった繭璃。
「俺が何?ちゃんと洗えなかったのは事実だろ?″お仕置き″はするよ…たーっぷりとね」
にやつく俺を見た繭璃が、ふるっと身体を震わせる。
おどおどしながら俺を見つめる繭璃を、何をしてやろうか?なんて思いを巡らせながら、バスルームまで運んだ。
俺たちの甘い夜は、まだ始まったばかり…。