─仮面─偽りの微笑み

目覚めて直ぐに彼女を感じられる…。



一緒に朝を迎えられるのはやはり嬉しい。



「ずっと一緒にいたい…離れたくねー」



柔らかな髪を撫で、未だ俺の胸で眠る彼女に、小さく口づけを落とす。



「…ん…」



と身じろぐ彼女をキツく抱きしめ、甘い香りを吸い込む。



「はぁ…たまんねー」



このままずっと抱き締めていたい。



柔らかな唇を指先でなぞり、頬をなで髪を梳き眠る彼女に口づける。



唇を啄みながら柔らかな肌に手を這わす。



「ん…はぁー…ん」



漏れる吐息に、高ぶる自身に驚きすら覚える。



「やべー…ありえねぇぐらい興奮してんな俺…」



今まで身体を重ねた女達に、欲情した事はない。



ただ…どうしようもない男の性を、吐き出していたに過ぎなかった。



だが今はどうだろう、肌に触れ甘い吐息を聞くだけで、どうしようもなく彼女を欲する自分がいる。



身体を重ねる度、愛しさは増していく。
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