─仮面─偽りの微笑み
「…繭璃」
彼女の名を呼び、抱き締める腕に力を込めた。
壊してしまいそうな程に小さくて、俺の腕にすっぽりと収まる。
甘い香りを漂わせ、俺の胸で無防備に眠る彼女を、″守りたい″と思う。
「好きだ…いや…愛してる」
「ふふっ」
「ん…?なんだ起きてたのか」
「はい…でも目が覚めて良かったです」
ん?と顔を見れば、うふふと柔らかな笑みを浮かべる。
「だって…″愛してる″って聞き逃すとこだったから」
「あぁ…盗み聞きとは悪い子だ…お仕置きされてーの?」
じっと見つめニヤリと笑って見せれば、それだけで熱くなる繭璃の身体。
「お仕置き…や…」
キュッと頂きを摘めば、「あぁッ!」と顔を歪めイヤイヤと首を振る。
「クスッ…かぁわいっ…」
重なりあって、ドロドロに溶け合い1つになってしまいたい…。
そんな事を考える程、彼女を愛してしまった俺がいた。