─仮面─偽りの微笑み
それから数日、俺達は一緒に時を過ごした、それは夢のような日々だった…。
「じゃあまた迎えにくるから…いい子にしてろよ?」
「はい♪」
繭璃を学校に送り俺も大学へ向かう。
気分よくハンドルを握れば、携帯の耳障りな着信音に一気にテンションが落ちる。
「はい」
『今日の夕方会社寄れ』
「今日は無理です」
『お前仕事舐めてんのか』
「はぁー解りましたよ」
『解りゃいんだよ…じゃあな』
「はぁーよく言うよ…自分だって暢さんに任せっきりだったくせに」
父親からの電話に、気分が悪くなったが、″会社に繭璃を連れて行こう″。
そう考えると落ちていた気分も、一気に上昇した。
「楽しみだな…」
繭璃が一緒なら、嫌な事も楽しくなるような気がして、俺はまた上機嫌でハンドルを握った。