─仮面─偽りの微笑み
学校に寄り2人を拾うと、俺達は会社へと向かった。
「あのっ棗さん?」
「なんだ」
「私が会社になんて着いて行っても構わないんですか?」
「あぁ、気にすんな俺が連れて行きたいだけだから」
「棗さん…///」
助手席からうっとりと棗を見つめる繭璃。
「ちょっと!あたし達の存在忘れてんじゃないわよー!!」
「ちっ」
「棗…舌打ちはないよぉ」
後部座席の2人が文句を言う中、棗は片手をすっと繭璃に伸ばし指を絡め取った。
そのまま車を会社へと進めた。
───…
──…
「ほっ、本当にいいんでしょうか?!」
怯える繭璃の手を引き、俺はエレベーターへと向かう。
「俺がいいっていってんだからいんだよ!」
「お兄ちゃんって強引…ドSだよね」
「うん…だなっ」
後ろの2人は呆れ顔でそれを眺めていた。
「おい…置いてくぞ」
そんな修一と美麗に棗は振り向き、冷たく言い放つのだった。
「「やっぱドS…」」
と2人は顔を見合わせ、慌てて棗達の元へと駆け寄った。