─仮面─偽りの微笑み
「親父着いたから」
『上までこい』
愛想のない会話を交わし、電話を切ると携帯をポケットにねじ込んだ。
「行くぞ」
「は、はいっ」
「繭璃、緊張してんの?」
「えっ、あ、うん」
「緊張することないって」
「美麗ちゃんはいいよ…パパさんだもん」
棗は、しゅんと俯いた繭璃の頭を撫でる。
「いずれお前の義父になる、今から慣れとけ」
「「「えっ!!」」」
3人は驚きで目を丸くした。
「何さらっとプロポーズしてんだよ!」
このこのと肘で棗をつつく修一。
「プ、プ、プロポーズですか?!」
「みたいなもんだ…そん時はちゃんと言ってやる、今から心の準備しとけよ」
「は、は、はいっ!」
驚きと嬉しさで、繭璃は思わず″ぎゅっ″棗に抱き付いていた。