─仮面─偽りの微笑み

「何だ、今日は積極的だな…」



クスッと悪戯に微笑む棗に、はっと我に返る繭璃。



「あのっ、やっ…恥ずかしいっ…///」



棗から離れ顔を両手で覆う。



美麗と修一の存在を、繭璃はすっかり忘れていたのだ。



「あんたあたし達の事忘れてたでしょ?」



「あっ…うん、ごめんなさい」



「はぁー…あんたの目にはコイツしか入んないのね…ショックー」



美麗は棗を指さすと、がっくりと肩を落とした。



そんな美麗を修一がよしよしとなだめる。



「誰がコイツだ…あと指を指すなお馬鹿な妹よ」



「なっ誰が馬鹿ですってー!このサディストが!!」



「言ってくれる…それがどうした!」



「うわぁー開き直ったよ…繭璃今からでも遅くないよ、こんな人やめちゃいなよ」



「へっ?や、あの…美麗ちゃん?」
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