─仮面─偽りの微笑み
「パパの息子でしょ諦めなよ」
「ど、どういう意味かな美麗?!」
「2人は良く似てるって事だよパパ」
そう言ってニッコリ笑う美麗に、劉兒は「はぁー」と盛大にため息を吐いた。
修一と繭璃は、目の前の親子のやり取りを、クスクスと笑って見ていると、ドアをノックする音がした。
「俺だ」
「はいれよ」
ドアが開き足を踏み入れた人物に、皆の視線は集まる。
「暢さん」
「暢おじさん!」
棗と繭璃は、「えっ」と顔を見合わせた。
「おじさん?」
と尋ねる棗に繭璃が答える。
「はい、ママの兄なんです暢おじさんは」
「お兄ちゃん知らなかったの?」
美麗に言われ「知らねーし」と、面白く無さそうに言う。
「繭は何で此処に?」
そんな棗をよそに、暢が繭璃に声を掛けた。