─仮面─偽りの微笑み
「あっ…えっと…」
繭璃は棗にチラリと目をやる。
「俺が連れてきたんだよ暢さん」
すっと腰に手をやる棗に、暢は怪訝な顔をした。
「どう言うことだ?」
「俺達付き合ってんだ」
「本当か繭…」
暢に聞かれ、恥ずかしそうに「うん」と繭璃は頷く。
「心配しなくてもマジだから俺」
怪訝な顔をした暢に、棗は真剣な眼差しでそう言った。
「遊びも困るが…マジも怖い」
「はっ?」
「お前はコイツの息子だからなぁ…正直おじさんとしては心配だ」
小さくため息を吐いた暢に、劉兒が詰め寄る。
「コイツって誰だよコイツって!俺に似てるからってなんで心配なんだよ?寧ろ安心だろうが」
「安心なわけないだろうが…あぁ俺の可愛い姪っ子がぁー…」
「暢っなんで俺に似てると駄目なんだよぉー!」
頭を抱える暢と、それに詰め寄る劉兒。
それを唖然と見つめる4人。