─仮面─偽りの微笑み
口を開いたのは棗だった。
「ひでーよ暢さん…俺マジで言ってんのに」
「あ…すまん棗!コイツの過去を色々と知る俺としてはやっぱりな…」
「あぁ解るから大丈夫…」
そう言って劉兒にチラリと目線をやる棗。
「ん?なんだよ2人して…過去なんてどうでもいいんだよ!」
「いや…実際酷かったから…まっ今まで我慢してきたユウリちゃんに感謝するんだな」
「何だよ我慢って!ユウリは幸せに決まってんだろ」
「誰も幸せじゃないなんて言ってないだろーが」
ぎゃあぎゃあ五月蝿い大人達をよそに、さっさと仕事を終えた棗と修一。
「俺達かえっから」
「「えっ?!」」
劉兒と暢は、2人同時に棗に顔を向けた。