─仮面─偽りの微笑み
親父の会社を後にし、修一のマンションに2人を降ろしてやり、俺のマンションにたどり着いた。
部屋に入るなり、繭璃の携帯が鳴り響く。
『日曜日の夜には帰る』と、彼女の母親からのメールだった。
「今日が金曜だから明後日までかぁ…一週間って早く過ぎちゃうもんですね…」
と悲しげに微笑って言った繭璃。
今すぐ抱き締めてぇ…。
「そうだな…明日はどっか出掛けるか」
「いいんですか?」
「あぁ…どこ行きたい?」
「何処だって嬉しいですわたしっ♪棗さんと一緒なら!」
そう言ってとびきりの笑顔を俺に向けた。
その笑顔が見たくて言ったんだぜ?
思わず緩んだ口元が照れくさくて、俺は彼女を引き寄せた。
「はぁーっ、お前が好きでたまんねーわ俺…」
「……っ…///」
きゅっと俺のシャツを掴み、真っ赤な顔でそっと俺を見上げた繭璃。