─仮面─偽りの微笑み
出来る事なら一日中抱き合っていたい。
もちろん裸で…。
だけど身体だけの関係かも…と、彼女を不安にさせたくない。
この俺がこんな事を思うなんてな…俺は彼女を見つめ頬を撫でた。
「…ンな可愛い顔すんなって…それとも誘ってんの?」
「…や…ちがっ…ン…ふぅっ…っ…」
開きかけた唇を塞ぎ、深い口づけを交わす。
そしてふわりと抱き上げ、寝室のドアを開けベッドに繭璃を下ろし彼女に跨った。
見下ろせば潤んだ瞳を俺に向ける。
「棗さん…あのっ…ごっ、ごはんは?…えっと…なっ…なにに…し…」
人差し指を彼女の唇に当てる。
「俺が今欲しいのはお前だから…」
そう言って唇を軽く啄み、耳朶を甘噛みし囁く。
「朝まではしないから…ちょっとだけ…な?」
「…んッ…///」
赤くなる繭璃を抱き締め少しだけ戯れると、その夜は言葉通り早めに眠りについた。