─仮面─偽りの微笑み
「んっ…!どうかした美麗ちゃん?何かついてる?」
あまりに見つめ過ぎたのだろう、修一は自分の顔をさわさわと撫でながら言った。
「…あっ…違うの…そのっ…修一さんの笑った顔…すっ…好きだなぁ…って!!」
(えっ…?!)
美麗は一瞬何が起こったのか解らなかった。
温もりと柔らかな香りそして腕の逞しさ…
修一に抱き締められている。
そんな自分が信じられなかった。
長身な所は同じだが、線の細い兄と違い修一は逞しく"男"を感じさせた。
美麗は何時も思っていた、あの腕に抱き締められてみたいと…