─仮面─偽りの微笑み
───…
──…
「わぁっ!海だぁー棗さんっ見て見て♪」
子供のようにハシャぐ繭璃につられて、俺も自然と笑っていた。
「久しぶりだな海なんてきたの」
「あたしもですよ?」
「いつ以来だ?」
「んー小学生かな?家族旅行で行ったっきりです」
「…小学生ね」
最近の話じゃねーって事にほっとする俺。
…情けね。
「棗さんは?」
「あ?…あぁ…俺?…いつだっけ?忘れた」
「ふーん…」
疑わしいって思ってるな。
「俺も小学生以来だ…間違っても女と2人行った事なんてねぇから」
「そ、そうなの?!」
「これが初めてだ、ちゃんとしたデートもしたことねー」
大概が飯食ってヤって終わり。
今まで何やってたんだろうな俺。