─仮面─偽りの微笑み
まぁ本心は…水着姿どころか、普通に誰の目にも触れさせたくないんだけど…。
いっそのこと、どこかに閉じ込めてしまいたい。
相当危ないヤツだな…俺。
「棗さん?美味しくないですか…?」
小さく溜め息を漏らした俺に、心配そうな表情の繭璃。
「あ?…わりーちょっと考え事してた」
俺はそう言って、目についた卵焼きを頬張る。
「うまっ♪」
ちょっと甘めの味付けが俺の好み。
「はぁーっ、良かったぁ♪」
ほっと胸をなで下ろし、ふわりと微笑む繭璃が眩しくて、俺は目を細めた。
「ずっとこんな日が続けばいいのに…」
「こんな暑い日ばかりはイヤだ」
「ちっ違います!」
「ふっ…わかってるよ冗談だ…俺だって思ってるさ…ずっとお前といたいってな」