─仮面─偽りの微笑み

暑さと繭璃の甘い香りで、俺の思考が麻痺する。



噛みつくようなキスをして、柔らかな胸に顔を埋め貪った。



「な…つめ…さん…あッ…あ…ん…やぁ…」



「繭璃…繭璃」



何度も何度も彼女の名前を呼び、胸元に口づければ更に咲き乱れる赤い華。



白い肌に夥しい程の赤い印しを残した。



俺のモノだという印しを…。



「抱きたい…」



「あん…棗さん」



「お前が欲しいんだ」



囁きながら耳にキスをした。



「はあっ…ん…」



「はぁーっ…我慢できねぇ」



ギュッと抱き締めてから、さっと彼女の服の乱れを直し、弁当もシートも片付けた。



「行くぞ!」



「ふぇっ?!な、棗さん?!」



未だトロンとする繭璃の顔を覗き込めば、″はっ″と我に返る。
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