─仮面─偽りの微笑み
◇叶わない未来
───…
──…
「それで…?わざわざ呼びつけて俺に用って何」
社長室のソファーに座った俺は、親父の背中を見つめながら喋っていた。
窓際に立ち、背を向けたままの親父が口を開く。
「…見合いしてくれないか」
「はっ?見合い?俺に言ってんのかよそれ!!」
「お前以外に誰がいる」
「はぁー……しねーよ?俺には大事な女がいるのしってんだろ!」
振り向きもしない親父の後ろ姿を睨みつけた。
「…わかってる…俺だって悩んだんだ…頼む棗…助けてくれないか俺を会社を…」
そう言った親父が小さく震えていた。
「どう言う事だよ親父」
「…実はな」
少し震えながら、親父は口を開いた。