─仮面─偽りの微笑み

───…
──…

「まさか17歳だったとは…繭璃とは違うタイプだな」



俺は料亭を後に1人車を走らせていた。



正直…麻里香とは、結構盛り上がった。



「またね棗!」

そう言って、彼女はニコニコしながら執事と共に帰っていった。



また会う約束をして…。



「ふっ…面白い女だ」



そう呟いて、俺は携帯を取り出した。



プルル…プルル…



可笑しい…。



プルル…プルル



何故出ない…何時もなら直ぐ出るはずなのに。



「…繭璃…何やってる」



再度かけ直してみるが同じだった。



先に美麗と話したが、一緒ではない「家に帰ってるはずよ?」そう言っていた。




「仕方ない…家にかけてみるか」



繭璃の自宅へと電話をかければ、「はい、宝田でごさいます」と、上品な女性の声が聞こえてきた。
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