─仮面─偽りの微笑み

「棗、悪かった…俺は…」


「なつめー♪」



暢が謝りかけた時だった、棗の後ろから現れた彼女は、ぎゅっと棗の腕に抱きついた。



「こんにちは!麻里香でーす♪」



麻里香は3人に向かって、にっこりと笑いかけた。



「麻里香…待ってろと言っただろ」



「んー寂しいから来ちゃった!駄目だった?」



「いや…丁度いいか…」



腕にしがみつく麻里香を見つめた棗は、3人に顔を向け口を開いた。



「婚約披露パーティーは盛大に頼みますよ…なるべく早い方がいいんで早急に頼みます」



「はっ?婚約披露パーティーって誰のだ?!」



劉兒は驚き立ち上がった。



「俺とコイツ」



棗は麻里香に視線を合わせ、「なっ」と微笑んでみせた。



「よろしくお願いしますね?お・じ・さ・ま♪」



棗ににこっと笑いかけた麻里香は、劉兒にむかいそう言った。

< 203 / 268 >

この作品をシェア

pagetop