─仮面─偽りの微笑み
「なんでもかんでも俺に押し付けやがって…そりぁ美人の奥さんが家で待ってると思えば早く帰りたいだろうけど、ちったぁ我慢しろよ…」
「もぉ…暢さんたら美人だなんて//」
と照れ笑いするユウリ。
「いや、君は本当に綺麗だよユウリちゃん」
「暢!何ユウリに色目使ってんだよ?! ユウリも喜ぶな!」
劉兒は、ぐいっと2人の間に割り込むと、ユウリの腰を抱き囁いた。
「躾が足りないな…」
「や…」
ぴくんと肩が弾み、赤い顔を更に赤くしたユウリに、満足げな劉兒はくっと妖艶に微笑んだ。
「…で…棗が最初からこの話を知っていたのは?」
劉兒は棗に顔を向けた。
「俺が連絡したんだ…騙されたふりしてくれってな」
「暢さんが俺を騙したりするわけないだろ…?それに…どんな状況だろうと…あんたが俺に頭を下げるなんて事ねぇからな」
「はっ…やっぱやな奴」
劉兒は苦笑いし、呟くようにそう言った。