─仮面─偽りの微笑み

「はぁーっ」
っと溜め息を吐いたのは美麗である。



「美麗ちゃんどうかしたの?」



不思議そうな表情で、美麗の顔を覗き込んだ繭璃にまたまた大きな溜め息を吐いた。



「はぁーっ…繭璃…あんたなんでお兄ちゃんに会っちゃうかなぁ…」



「美麗ちゃん…棗さんは素敵な人です…でもっ…あたしなんかが彼女になってもいいのかな…?」



「あいつのどこが素敵なのよ…修一さんの方が何倍も素敵なんだからねっ!!」



「むっ…棗さんの方がもっともーっと素敵ですっ!」



ぷくっと微を膨らませ、繭璃は美麗に怒ってみせた。



「はいはい…わかりましたお兄ちゃんは素敵ですよ…これでいい?…まったくあんたは可愛すぎるんだよっ」



「ばか繭璃!」っと美麗は繭璃のオデコをつっついた。



「美麗ちゃんひどーい…ばかじゃないもんっ」



呑気にオデコをさする繭璃が、美麗は心配でたまらなかった。
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